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自律神経失調

人は加齢に伴い体の多くの部位で、安静時の交感神経活動が亢進すると考えられています。ノルアドレナリンは交感神経の神経伝達物質の一つで、その血中濃度は交感神経の働きに相関しています。その血中ノルアドレナリン濃度の増加が加齢とともに認められ、あわせて筋交感神経活動頻度の増加が測定されています。この増加は老化により肺での酸素交換が障害されて、血液中の酸素分圧が低下したり、内臓脂肪が増えてそこから放出されるレプチンによって起こるなどが考えられています。

しかしそれらが正常でも、心臓や血管の反応性が悪くなることにより、交感神経過剰状態になっている可能性があります。たとえばその一症状として、急に立ち上がった時に血圧を保とうとして交感神経が作用しますが、それがうまく働かないために一過性低血圧発作なります。これを避けようとして笛吹けど踊らない臓器を激励するがごとく普段から交感神経が過剰に働いているのです。

このような加齢による臓器機能の低下は安静時において自律神経が補っていますが、それ故に環境変化に対応する自律神経能力が低下傾向にあり、色々な不定愁訴が顕在化します。交感神経が過度に緊張すると白血球のバランスが崩れて免疫力が低下し、様々な病気の原因になります。体の各所で血流が悪くなり、疲れ、だるさ、冷え、めまい、耳鳴りなどの原因になり、全身の機能を低下させます。更年期と言われる時期も、自律神経やホルモンに対し、て、反応性の悪くなった体と折り合いをつける時期であるとお考えください。老化は誰もが通り抜けねばならないトンネルですが、できるだけ不快感を抑えて楽に折り合いをつける手助けをする事が鍼灸の役目であると考えています。

更年期障害

症状
 
更年期の症状の現れ方はさまざまで、更年期症状は、
閉経が近づくにつれてホルモンの濃度が変動するために起こると考えられています。
 
更年期の症状として、ほてりやのぼせといった症状は
ホットフラッシュとも呼ばれ、女性の4分の3が経験します。
こうした症状は1年以上にわたって出る人が多く、半数近くの女性では5年以上続きます。
 
ほてりの原因はよくわかっていませんが、
ホルモン濃度の変動に関係があり、
皮膚の表面に近い血管が拡張するために起こると考えられています。
血管が拡張すると血流が増えるため、特に顔や首などで、
皮膚の赤みが増して温かく感じられます(熱感、ほてり)。
大量に汗をかく人もいます。
ほてりは30秒から5分程度続き、ほてりの後に悪寒を感じることもあります。
 

閉経期の前後にみられる症状としてはこのほか、
気分の変動、うつ、刺激に対する過敏性、不安、神経質、
不眠、集中力低下、頭痛、疲労などがあります。
これらの症状はエストロゲン濃度の低下と関連している可能性がありますが、
正確な関係は明らかになっていません。
ほてりによる寝汗が睡眠を妨げ、睡眠不足が原因で疲れたり、
いらだちやすくなることがあります。
睡眠障害はほてりがない女性にもよくみられます。
 
めまいがしたり、しびれを感じることもあります。
心臓の拍動が強く、あるいは速く感じられること(動悸[どうき])もあります。
更年期に体重が増えたり、閉経後もさらに増え続けることがありますが、
これはホルモン濃度の変化によるものではなく、通常の加齢に伴う現象の1つです。
 

更年期のさまざまな症状は不快なものですが、
その多くは閉経以降は頻度も強さも低下していきます。
(メルクマニュアルより)
 
更年期をうまく乗り切る手段として鍼灸は最も適切な手段です。
 
更年期障害の鍼治療は、自律神経の調整を主な目的に行います。
特に交感神経過緊張を緩める治療です。
自覚があるなしにかかわらず、頚椎から胸椎の脊柱に異常や圧痛が見られることが多く、
(交感神経は胸腰椎、副交感神経は中脳・延髄・仙髄)
背中のツボ(背骨の両脇)に刺鍼することで
緊張した交感神経の安定を求めます。
 
直後効果も大きく、自覚症状の軽減が見られます。

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