生理学の最近のブログ記事

花粉症

食品アレルギーと腸管防御機構についての論文を読んでいて、アレルギーについてこれまでの認識を再考させられた。以前にこのブログで、コラーゲンを摂取したからといって、体内でコラーゲンが増えるわけではないと言う事を書いたけれど、アレルギーという角度から経口摂取について考えてみると興味ある事実が浮かんで来る。

経口免疫寛容といって、経口摂取したタンパク質に対してアレルギーを起こしにくくする機構が動物には備わっているということである。食品に対して一々アレルギーを起こしていては生命維持ができないから、食物由来の異物や腸内共生細菌に対しては積極的なアレルギー反応が働かないようにしている。そういえば昔から、漆にかぶれないようにするには少しずつ漆を舐めれば良いと言われてきたが、まさにこの経口免疫寛容を利用した方法だったのだ。しかしこれは腸管にだけに備わった機構であり、皮膚に少しずつ塗ってもアレルギー反応の低下は起こらない。

この経口免疫寛容を利用したアレルギー疾患の治療方法が有る。関節リウマチの患者の免疫細胞の標的は、関節に有る非変性Ⅱ型コラーゲンであり、そのコラーゲンを経口摂取することによりアレルギー反応を抑えるということがドイツやアメリカなどで報告されている。

経口減感作療法を疑っていたわけではないけれど、花粉症の患者が花粉を食べればアレルギー反応が軽減される…今までそんなバカなと思っていた事が、今や科学的に説明が付く事態であり、大して害もなさそうなのでやってみる価値はあると考えさせられた次第である。

鍼治療は免疫応答を調節することによりアレルギー疾患や自己免疫疾患の治療に有意義であると考えられている。鍼治療がアレルギー反応に対して作用する機序は未だ不明な点が多いが、免疫系におけるサイトカイン生産を変化させて免疫応答を調節しうる可能性を示唆している。その機序を関西鍼灸大学の栗原らは「鍼と免疫」の論文の中で以下の図のように説明している。WS000174.jpg

ヘルパーT細胞に作用してバランスを変化させることにより免疫応答を調節しているという仮説である。

鍼治療でよく用いられる説明として、正常な状態に近づけるという言葉が有るが、アレルギー反応においてまさにそれを説明した図である。

鍼と免疫.pdf

自律神経と免疫

新潟大学医学部教授の安保徹先生は、鍼灸治療が自律神経を介して免疫系に強い影響を与えることを、その著書の中で解説している。自律神経系の偏りは病気発症の本体と深くかかわっているので、病気の治療には、この是正が絶対必要である。鍼灸治療は交感神経緊張状態の患者には絶大な効果を発揮するが、それは自律神経の偏りを是正して、循環系や免疫系の改善を促すことにより自己治癒力が高まった結果である。

弊院においても常にこれらの事を考慮して、鍼灸治療と共に星状神経節レーザー(SGL)を併用した施術を行っている。その安保先生が某医科大学漢方研究会において、「免疫と漢方」の演題で特別公演されるとの案内が届き今から大変楽しみにしている。白血球の自律神経支配のメカニズムを世界で初めて解明された先生で、その著書の中で気圧と疾患など今まで医学では説明できなかった事柄も論理的に解説され、従来とは違った視点から疾患と対峙できるのではと期待している。

自律神経と免疫の法則―体調と免疫のメカニズム

自律神経と免疫の法則―体調と免疫のメカニズム

安保 徹著。自律神経と免疫に焦点をあて、病気の成り立ちと治癒反応を明らかにする。「気圧と疾患」「白血球膜状に発現する自律神経レセプターと白血球の生体リズム」等、30章に分けて解説。

自律神経失調

人は加齢に伴い体の多くの部位で、安静時の交感神経活動が亢進すると考えられています。ノルアドレナリンは交感神経の神経伝達物質の一つで、その血中濃度は交感神経の働きに相関しています。その血中ノルアドレナリン濃度の増加が加齢とともに認められ、あわせて筋交感神経活動頻度の増加が測定されています。この増加は老化により肺での酸素交換が障害されて、血液中の酸素分圧が低下したり、内臓脂肪が増えてそこから放出されるレプチンによって起こるなどが考えられています。

しかしそれらが正常でも、心臓や血管の反応性が悪くなることにより、交感神経過剰状態になっている可能性があります。たとえばその一症状として、急に立ち上がった時に血圧を保とうとして交感神経が作用しますが、それがうまく働かないために一過性低血圧発作なります。これを避けようとして笛吹けど踊らない臓器を激励するがごとく普段から交感神経が過剰に働いているのです。

このような加齢による臓器機能の低下は安静時において自律神経が補っていますが、それ故に環境変化に対応する自律神経能力が低下傾向にあり、色々な不定愁訴が顕在化します。交感神経が過度に緊張すると白血球のバランスが崩れて免疫力が低下し、様々な病気の原因になります。体の各所で血流が悪くなり、疲れ、だるさ、冷え、めまい、耳鳴りなどの原因になり、全身の機能を低下させます。更年期と言われる時期も、自律神経やホルモンに対し、て、反応性の悪くなった体と折り合いをつける時期であるとお考えください。老化は誰もが通り抜けねばならないトンネルですが、できるだけ不快感を抑えて楽に折り合いをつける手助けをする事が鍼灸の役目であると考えています。

老人性難聴

東京大学大学院農学生命科学研究科

発表概要

我々はミトコンドリア(注1)においてアポトーシス(注2)を促進する働きをもつBak(注3)遺伝子が老人性難聴の発症機構に必須であることを明らかにしました。またミトコンドリアにおける活性酸素(注4)種レベルの増加や酸化ストレス障害の増加がBakの活性化を誘導し老人性難聴を引き起こすこと、さらに抗酸化物質であるアルファリポ酸とコエンザイムQ10がBakの発現を抑制し、老人性難聴の発症を遅延することを明らかにしました。今回の研究成果は内耳老化機構の解明、高齢者の健康維持、そして老人性難聴の予防法・治療法の確立に役立つことが期待されます。本研究は、東京大学大学院農学生命科学研究科、東京大学大学院医学系研究科耳鼻咽喉科、ウィスコンシン大学マディソン校遺伝子学部、フロリダ大学老化学部、ニューヨーク州立大学バッファロー校聴覚・難聴センター、ワシントン大学病理学部との共同研究の成果です。

本研究成果は、米国の科学アカデミー紀要「Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America(PNAS)」オンライン版に11月9日(米国東部時間)に掲載されました。

用語解説

注1:ミトコンドリア エネルギー産生や呼吸代謝の役目をもつ細胞小器官。

注2:アポトーシス プログラム化された細胞死。

注3:Bak ミトコンドリアに局在しアポトーシスを促進するタンパク質。Bcl-2ファミリーのメンバー。

注4:活性酸素 活性化された状態の酸素分子とその関連物質。

 先週の11月10日に、東京大学大学院農学生命科学研究科の染谷先生らの「老人性難聴の発症の仕組みを解明した」という内容の論文が、米国の科学アカデミーオンライン版に掲載されました。その概要は右の通りです。

 この論文には、コエンザイムQ10が、老人性難聴の発症を遅らせるという実験結果が示されています。コエンザイムQ10というのは、CoQ10といってサプリメントでもおなじみなので、皆さんもテレビ等でお耳にされたことがあると思います。

 人間にはアポトーシスといって、遺伝子にプログラムされた細胞死があって、難聴は加齢による内耳の感覚器のアポトーシスが原因で、細胞が徐々に死滅して、耳が聞こえなくなるようです。今回の発表では、そのアポトーシスを遅らせるのが、CoQ10だということが解明されたらしいです。

 コ・エンザイムのエンザイムは酵素という意味で、コエンザイムは補助酵素というi意味です。。補助酵素Qはユビキノンという物質で、ミトコンドリアの電子伝達系に関与しています。ミトコンドリアはエネルギーの元(ATP)を生産する細胞で、それゆえにミトコンドリアは細胞のエネルギー生産工場と言われています。そのミトコンドリアは、肝細胞や心臓、筋肉さらに神経細胞など、エネルギーを大量に必要とする組織に多いので、聴覚細胞のエネルギー源を枯渇させないために、CoQ10を摂取するというのは悪い話ではなさそうです。

老人性難聴や突発性難聴など、鍼灸による難聴治療においては、当然の事ながら死んでしまった細胞を生き返らせることはできませんが、その初期の段階ではよく効くケースがあります。鍼灸治療の主な目的は、血液循環を高めて、聴細胞に酸素を多く送り込むことにあります。

  西洋医学において、老人性難聴はこのように解明されつつありますが、突発性難聴にはウイルス原因説や内耳循環障害説があり、どのような治療が効果的かはまだ未解明ですが、ステロイド投与は抗炎症作用や活性酵素抑制作用という観点から、ウイルス説や循環障害説の両方を満たす治療方法です。ステロイドの効果があまり出なかった患者さんの場合は、内耳循環の改善を目指す鍼治療は、積極的にお試しいただく選択肢の一つであると思います。

膝痛、関節痛とコラーゲン

関節痛の患者様が異口同音におっしゃるには、関節軟骨がすり減っているからコラーゲンを取って増やさないといけないと思い、サプリメントを飲んでいますと。でも実はこの話、胃が悪いから上ミノを食べていますのような類の話なのです。

テレビなどの影響で身体の構造について良くご存じなのは喜ばしいことですが、一部に誤った認識があることも確かです。コラーゲンはたんぱく質の一種で体内では消化吸収されてアミノ酸になります。アミノ酸を利用して体内でコラーゲンが合成されるのですが、そのアミノ酸はコラーゲン由来のアミノ酸で無くても、豆や肉、魚などのタンパクを消化吸収したアミノ酸でも同じです。コラーゲンを摂取したからコラーゲンが増えるというような選択的な再合成はできません。

人体に摂取したタンパク質はほぼ100%消化吸収されアミノ酸になります。そのアミノ酸を利用して体の細胞を再合成しています。普段蛋白質を一切取らないベジタリアンならいざ知らず、普通に生活している現代人において、ことさらコラーゲンを摂取しないといけない理由は有りません。

コラーゲンは分解されるとゼラチンになります。どうしてもコラーゲンを摂取したいのであればゼラチンでも効果は同じです。グミを食べれば良いだけの事。高い出費の必要性は有りません。

鍼灸が体に与える作用

鍼灸刺激は末梢血管を拡張させ、
白血球の遊走性を亢進するなどして
生体防御機能を賦活します。
 
これは末梢C線維が軸索反射を起こし、
局所にサブスタンスPやCGRPが分泌されることによる
反応と考えられています。
 
鍼刺激では心電図上P-P間隔延長が認められ、
心拍数が減少します。
 
これは副交感神経が強く亢進され、
交感神経が軽度抑制されるからと考えられています。
 
腰部の脊柱起立筋への鍼刺激により、
下肢の骨格筋の血流が改善され、
筋収縮力回復が促進されます。
 
四肢への鍼刺激により胃の蠕動運動が亢進します。
実際、治療中患者さまの胃がグルグル鳴り出します。
 
鍼刺激により末梢血中のT細胞やNK細胞が増加します。
 
このような事実から、鍼灸の健康維持や病気予防の作用は
以下のように考えられます。
 
1.免疫機能調整
現代医学において、発病と人体の抵抗力の関係が重要視されていますが、
鍼灸は液性免疫と細胞性免疫を調整し抵抗力を高めるのみならず、
老化による免疫機能低下を改善し、老化予防に効果があります。
 
2.血管や神経機能調整
鍼灸は高脂血症を改善し、血圧を調整し、
心臓や脳血管の疾患を予防します。
薬物のような対症療法ではなく、
神経や内分泌を調整し、体のシステム全体に作用し改善します。 
 

現代人の体の不調はストレスが大きく関与しています。
ストレスが体に与える影響は、本人が考えている以上に
大きいものです。
 
肩こり、腰痛、胃十二指腸潰瘍、高血圧、狭心症、がん、
脳卒中、インフルエンザ、等...
まだまだ枚挙にいとまがないぐらいの原因となり得ます。
以下生理学的に簡単に図示します。

 
鍼灸はこのようなストレスが原因の不調状態を、
正常に近づけるのに理想的な治療です。
 
もはや非科学的で野蛮な経験治療ではないのです。
 

更年期障害

症状
 
更年期の症状の現れ方はさまざまで、更年期症状は、
閉経が近づくにつれてホルモンの濃度が変動するために起こると考えられています。
 
更年期の症状として、ほてりやのぼせといった症状は
ホットフラッシュとも呼ばれ、女性の4分の3が経験します。
こうした症状は1年以上にわたって出る人が多く、半数近くの女性では5年以上続きます。
 
ほてりの原因はよくわかっていませんが、
ホルモン濃度の変動に関係があり、
皮膚の表面に近い血管が拡張するために起こると考えられています。
血管が拡張すると血流が増えるため、特に顔や首などで、
皮膚の赤みが増して温かく感じられます(熱感、ほてり)。
大量に汗をかく人もいます。
ほてりは30秒から5分程度続き、ほてりの後に悪寒を感じることもあります。
 

閉経期の前後にみられる症状としてはこのほか、
気分の変動、うつ、刺激に対する過敏性、不安、神経質、
不眠、集中力低下、頭痛、疲労などがあります。
これらの症状はエストロゲン濃度の低下と関連している可能性がありますが、
正確な関係は明らかになっていません。
ほてりによる寝汗が睡眠を妨げ、睡眠不足が原因で疲れたり、
いらだちやすくなることがあります。
睡眠障害はほてりがない女性にもよくみられます。
 
めまいがしたり、しびれを感じることもあります。
心臓の拍動が強く、あるいは速く感じられること(動悸[どうき])もあります。
更年期に体重が増えたり、閉経後もさらに増え続けることがありますが、
これはホルモン濃度の変化によるものではなく、通常の加齢に伴う現象の1つです。
 

更年期のさまざまな症状は不快なものですが、
その多くは閉経以降は頻度も強さも低下していきます。
(メルクマニュアルより)
 
更年期をうまく乗り切る手段として鍼灸は最も適切な手段です。
 
更年期障害の鍼治療は、自律神経の調整を主な目的に行います。
特に交感神経過緊張を緩める治療です。
自覚があるなしにかかわらず、頚椎から胸椎の脊柱に異常や圧痛が見られることが多く、
(交感神経は胸腰椎、副交感神経は中脳・延髄・仙髄)
背中のツボ(背骨の両脇)に刺鍼することで
緊張した交感神経の安定を求めます。
 
直後効果も大きく、自覚症状の軽減が見られます。

鍼は痛くないか!

初診の患者さまで「鍼は痛くないですか?」
というご質問がよくあります。
 
鍼の痛さを想像するとき、注射針の痛みや縫い針で指を刺した痛みを思い浮かべてのご質問です。
 
鍼の痛みは注射のような痛みではありません。
注射針はかなり太い(鍼の数倍以上)上に先が刃物になっています。
少し前に痛みの少ない注射針をめざして先端わずか0.2ミリ、世界一極細のインスリン用注射針が発売になりました。
 
注射針の太さの比較
右より米粒、21ゲージ(0.8ミリ)、27ゲージ(0.4ミリ)、31ゲージ(0.25ミリ)、33ゲージ(0.2ミリ)
 
鍼灸の鍼
左より極細鍼(0.12ミリ)、1番鍼(0.16ミリ)、3番鍼(0.2ミリ)
 

 
右端は米粒で、その隣は病院で注射によく使う針、点滴ではもう少し太くなります。
 
こうして並べると注射針の太さが際立っています。
これを想像するとやはり痛そうです。
その左隣り27ゲージは予防接種などでよく使われます。
 
左から3番目が鍼治療で最もよく使われる3番鍼(0.2ミリ)です。
その右の最近作られた世界一極細といわれるインスリン用と同じ太さです。
蚊に刺された程度というキャッチフレーズです。
これに穴があいているのですから恐るべし日本の技術力ですね。
但しこの注射針細いのは針先だけで、根元は少し太くなっています。
 
いちばん左は極細鍼の0.12ミリで、平均的な日本人の髪の太さは0.08ミリといわれていますが、キューティクルがしっかりした太い髪の人と同程度の太さです。
 
このように鍼の太さだけを比較しても数倍の違いがあります。
 
では縫い針は?
目隠しして体表上の2点に機械刺激を与えて、それが2点と識別できる最小の距離を2点弁別閾といいます。部位によって大きく差があり、指先や唇は小さく3ミリ程度。腕や背中は大きく60ミリ程度です。

背中では6センチ離した2点を1点と感じてしまうくらい鈍感?なのです。縫い針は鍼灸の鍼より太いのと、誤って刺すのは指先です。この指先には密度が高く知覚神経があり、比例して痛覚も多いので「イタッ」となります。通常背中など神経の密度の低いところでは痛覚に当たる率が低いので「イタッ」となることは少ないのです。しかし偶々そこに当たった時にはチクッとなるので場所を少し移動します。
 
では鍼は痛くないのでしょうか?
痛いという表現は同じでも質が違います。
このチックという痛みと鍼の響きは全く別物です。
 
たとえばシャープペンシルの先で蚊に刺された所を強く押しても痛いとは感じないでしょう。逆に気持ちいい感覚すら覚えます。
 
悪い所に鍼をするとズッシーンとショックを感じるような重怠い痛みがあります。
こういう感覚を「得気」といい、現代では「鍼感」ともいいます。
 
中国鍼灸古典には
「気が到ると、魚が釣り針を飲み込んだように浮沈する。至らねば無人の建物を深く進んで行くが如し。」と描写しています。
またこの得気と治療効果には「気が至れば有効」、「気が早く至れば効果も速い」という関係が述べられています。
 

気が至ると患者さんは刺鍼部位に怠い、腫れぼったい、重い、痺れるなどの感覚があります。またその感覚が離れた所まで伝わる感じがします。その時鍼を持った術者の手にも重く沈んで締め付けられ渋る感覚が伝わります。
得気とは鍼を通じて悪い所を術者に教えてくれている
モールス信号です。
 
あたかも傷んだ体があっ、そこそこと訴えかけているようです。

キセノン光治療

光の生体反応
●交感神経機能抑制
興奮度の高い交感神経への抑制作用
●血管拡張
細動脈への直接作用と交感神経経由
●知覚神経の興奮性抑制
知覚神経の伝達抑制、過分極、脱分極、ATP感受性カリウムチャネル活性化。
●中枢神経のエネルギー代謝への影響
大脳皮質組織のATP含有量増加、虚血負荷海馬ニューロン機能回復促進
 
痛みを伴わない痛み治療として、キセノン光治療器が注目されています。
また自律神経を安定させることにより、血流改善や治癒力強化が期待できます。
 
同様の医療器としてスーパーライザーやメディレーザーがあります。
それぞれの波長は下図を参照してください。
わたしは臨床でこれら3機種を使っていましたが、
除痛効果や保温効果においてキセノンの手応えが一番良いように思います。
 
以下日本医広よりの図表

16.jpeg

 

痛みの悪循環

pain
 
機械的、物理的、あるいは化学的刺激はその強度が増すと、痛みとして感じられるようになります。
このような外的刺激を侵害刺激といいます。
 
また、病気や外傷等によって生じる炎症やその他の発痛物質(セロトニン、ブラジキニン、プロスタグランジン等)
が作用しています。
これらの刺激や発痛物質によって侵害受容器(知覚神経)が興奮すると、
インパルスと呼ばれる電気信号が発生し、この信号は脊髄に入ります。
 ここで痛みの情報は次の神経にバトンタッチされ、さらに上行して視床に入り、
そのあと大脳皮質中心後回の体性感覚野に送られ、脳が痛みを自覚します。
 
痛みのインパルスが脊髄を上行する時、交感神経を興奮させ血管を収縮させます。
また、交感神経が興奮することによりカテコールアミンが副腎より分泌され、これも血管を収縮させます。
 
一方、大脳で痛みを認知するとインパルスは脊髄を下行し、反射性に運動神経を興奮させ、筋肉の緊張を増大させます。
これも血管の収縮につながります。
 
 このようなことから、痛みの発生部(原因組織)で血管収縮が起こります。
したがって局所の乏血が起こり血流不全となり、細胞組織の酸素欠乏となります。
 
 酸素で代謝ができなくなると、嫌気性代謝がおこり発痛物質が生成され、
さらに痛みを増強させます。このサイクルが痛みの悪循環です。各種の慢性痛の原因となります。
 
したがって、慢性痛の治療では痛みの悪循環の主役が交感神経の興奮であることを考慮して効果的に悪循環を止めることが重要となります。
 
出典:劔物 修編:改訂新版 図説半導体レーザーと痛みの治療、メジカルビュー社 1996.
 
弊院では必要により鍼灸と併用してキセノン光治療機AUVEで痛みのスパイラルを改善しています。

医療類似行為

法律上鍼灸は医療類似行為と定義されています。
治療や診療は医師や歯科医師のみが行える医療行為です。
ですから厳密には鍼灸院での治療は施術といいます。
 
診療時間という案内も法律に違反する書き方になります。
分かりやすいので私は使っていますが...
 
あるクリニックの診療方針に以下のようなものがありました。
 
目標
・自律神経の調節
・痛みやストレスの緩和
・中西医学の融合
・心身のリラクゼーション
 
コンセプト
痛みや辛さを取るのも医療である。
 
これらは鍼灸が求めているものと寸分の違いも有りません。
 
「痛みや辛さを取るのも医療である。」
これこそ鍼灸の得意分野です。
方法は違えどその目的は同じで、法律に遠慮なく述べるとすれば、鍼灸もまた間違いなく医療でしょうね。
 

大学病院のドクターが言っていた言葉を思い出します。
エビデンスに基づいた医療(EBM:Evidence Based Medicine 臨床的な判断に際し関係した文献を見つけ出し,
その妥当性を評価し,眼前の患者の状態に適用していいかどうかを検討するという一連の行動指針をさす)
の効果が無かった時、
もう打つ手が無いからと言って患者さんを見捨てて良いのか?
 
「たとえエビデンスに基づかなくても次の一手として鍼灸治療が有っても良いのではないか。
それで良くなる患者さんがいる限り...」
 
最近でこそ鍼灸界においてもEBMと言われるようになりましたが、
鍼灸はEBMとは対極にある「経験に基づいた行為」です。
しかし何故か現代医学では良くならなかった患者さんが、
鍼灸で見る見る良くなる良くなってゆく場面に多々遭遇したドクターの重い言葉です。
 
ここ数年で若い鍼灸師が爆発的に増えました。
規制の自由化とやらで学校が増えた為です。
そんな若い多くの知能が、近い将来鍼灸の科学的解明を益々進めてくれると期待しています。

記憶力を高める

最近記憶力の低下に頭を痛めています。
若いころなら知らない処で一度通った道路でも必ず覚えていて、迷うことはありませんでした。
ゴルフ場に行く時でも、行きは案内看板通りに行けば良いのですが、
帰りは案内が無いので記憶に頼ることになります。
そんな時でも決して不自由することはありませんでした。
 
それが今では昔良く行った定食屋の道が分からないというような、定着した記憶すら曖昧になってきました。
何でも機械に頼って頭を使う機会が減ってきたことが原因でしょうか。
 
昔なら電話番号なんてほとんど記憶していたのに、今では携帯頼りになってしまいました。
自動車はナビが無いと走れません。
道具が賢くなってもそれに反比例して人が馬鹿になるようではあまり有り難くないですね。
 
私はかろうじてセーフでしたが、製薬会社のページに
認知症チェックリストというものがあります。
 

鍼灸の臨床上において、体に危機感を与えると生命力が蘇るといったような事は多々あります。
体に危機感を与えるという意味において手段は違いますが、
食事のカロリー制限をすれば記憶力が良くなるそうです。
生物というものは危機感が無くなると退化するのでしょうね。
真冬に裸で乾布摩擦をしていた時代が一番健康的だったかもしれません。
 
カロリー制限で中高年の記憶力向上
 
健康な中高年で痩せすぎていない五十から七十九歳の男女四十九人を三グループに分け、
十九人にはカロリー摂取量を普段より三十%減らした。
別の二十名は認知症の役立つと言う説のある不飽和脂肪
酸の摂取を普段より二十%増量し、
残る十人は従来の食生活を続けた。
三ヶ月後にカロリーを押さえた十九人の点数は約二十%上昇
した。
カロリー制限によって体内の血糖値を調整するインスリンが
効きやすくなった人ほど、
成績の伸びが著しかったと独ミュンスター大学の研究チームが発表した。
2009年1月27日読売新聞

免疫をつける生活

先日、大学病院の同門会総会に行ってきました。
そこでの特別講演で東京医科歯科大学名誉教授の藤田紘一郎先生の
「免疫をつける生活」きれい社会の落とし穴というお話を興味深く拝聴しました。
藤田先生はサナダ虫博士として有名な先生で、笑うカイチュウ―寄生虫博士奮闘記に始まり、
腸を整えれば心も体も必ず元気になる!―大豆・根菜類・発酵食品で病気にならない体と心をつくるなど80余冊も執筆されています。
 
アトピー、花粉症、喘息は40年前には無かったこと。
現代のアレルギー疾患は生活環境が清潔すぎることが原因で起こっている先進国病だということ。
→清潔は病気だという著書も書いていらっしゃいます。
そもそも人は1万年前からあまり進化していない。→1万年前の環境で健康に生きられる。
 
新生児アトピーの赤ちゃんの40パーセントに大腸菌がいなかったこと。
第1子にアトピーが多いこと。→哺乳瓶の消毒や離乳食などについて神経質に育てすぎ。
 
サナダ虫が作る蛋白を合成し人に投与するとアレルギーは完治するが、がん細胞ができ易いこと。
しかしサナダ虫はがん細胞を抑えてくれる物質も分泌していること。
サナダ虫は全滅の危機にひんしているから、もうサナダ虫療法はできないこと。
 
アトピー治療は東洋医学的発想が必要で、自然治癒力を強化する必要があること。
免疫力の70パーセントは腸内細菌が作っていること。
O157の中毒は発展途上の国には無いこと。
等々を免疫学的に説明して納得させられるお話ばかりでした。
 
では免疫力を強化するためにはどうしたらいいのでしょうか。
サナダ虫が絶滅した今、腸内細菌に頼るしかありません。
1.抗菌剤、防腐剤の入った食物は取らない。→細菌が死んでしまう。
2.ビフィズス菌や乳酸菌を多く取る。
3.穀類、豆類、野菜など繊維の多いものを食べる。
4.抗酸化物の多い食物を食べる。→悪玉コレステロールは活性酸素に触れると動脈硬化を起こす。
5.ストレスを無くす。→現代では一寸無理?
6.笑う。
 
笑うって??
笑うことによってNK細胞が作られる。ウソ笑をするだけでも脳が間違ってNK細胞を作る。
NK細胞:ナチュラルキラー細胞→腫瘍発生に対する生体の防御機構の一翼を担っている。
 
関節リウマチの患者さんに、笑うだけの治療をした群と
薬を投与した群を比較した結果、笑うだけの治療の方が効果が高かったたというデーターがあります。
のようなお話でした。
 
鍼灸師の立場で考えると、免疫力強化といえば鍼灸治療をお忘れではないですか
と頭の中で一寸突っ込みを入れた私でした。

消炎鎮痛剤

雨の降る前日や台風の前に、体調不良を訴える患者さまが増えます。ほとんど女性の患者さまです。
 
昔から天気の悪くなる前に不定愁訴を訴えられたり、古傷が痛んだりすると言われています。更年期障害の方もこの傾向に有ります。
 
東洋医学的には湿気が悪いなどと言われていますが、ちょっと疑問を感じます。
 
私は気圧が大きく関係しているのではと思います。
天気が悪い→気圧が下がる→血圧変化→血流・自律神経・ホルモン分泌の変化
これだと医学的に説明が付きます。
 
※「気象変動が健常者血圧に与える影響についての検討」
横浜市立大学・杤久保先生 他。
2005年9月 第28回日本高血圧学会にて発表。
 

また、天気の悪い日が続くと、初診の患者さまの中には腰や膝に鎮痛目的で湿布を貼っているかたが多くいらっしゃいます。その日だけなら良いのですが、ずっと手放せないという患者さまもいらっしゃいます。
 
消炎鎮痛剤はNSAIDsといって化学構造的にステロイド骨格をもたない抗炎症薬の総称です。
 
痛みに対しては効果があるので、気軽に長期に渡り使ってしまいがちですが、血流低下作用があり、長期使用した場合、交感神経緊張状態になり血流障害をおこす可能性が有ります。胃潰瘍の可能性も有ります。
 
炎症時に生成されるプロスタグランジン類は生体にとって疼痛物質ですが、血管拡張作用、胃の粘膜保護、免疫機能の引き金作用というものもあります。NSAIDsはこのプロスタグランジンの生成を阻害して鎮痛します。
 
コリや痛みは血流を改善しないと良くならないのに、これらの湿布を長期連用すると、痛みは取れるが治癒しないということになってしまいます。
 
特に痛い時には便利な湿布ですが、長期連用は控えて下さい。
特に刺鍼後は鍼の効果を打ち消してしまいます。

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痛みの悪循環2009:07:17:15:15:08
 機械的、物理的、あるいは化学的刺激は…

鍼灸師専門書

手技療法とオステオパシーにおけるトリガーポイントと筋肉連鎖 (GAIA BOOKS)

トリガーポイントマニュアルがあまりに高価なのでこちらをお勧め!


はじめてのトリガーポイント鍼治療

訳本と違い文章に違和感が無く、図も見やすくて臨床応用できる。


Travell & Simons' Myofascial Pain and Dysfunction The Trigger Point Manual Two Volume Set

訳本で4巻8万円!なら断然原書がお勧め。


刺鍼事故―処置と予防

鍼灸師必読!北京堂浅野先生の著書


最新鍼灸治療165病―現代中国臨床の指南書

絶版になった『難病の鍼灸治療』の後継本。北京堂浅野先生の著書


実用急病鍼灸学

絶版になった『急病の鍼灸治療』の後継本。北京堂浅野先生の著書


美容と健康の鍼灸

美容よりも健康維持、病気の予防をがメインの内容。北京堂浅野先生の著書


全訳 中医基礎理論

この訳本を中国中医薬大学留学者もこっそり読んでいる。


解剖学カラーアトラス 第6版

全世界の医学初学者必携「ローエン・横地」。


ID触診術―Individual Muscle Palpation

触診術のレベルアップに欠かせない1冊。


骨格筋の形と触察法

鍼灸を現代医学的に考える時、解剖学と触診術が融合した本書は必携である。


神経解剖学による鍼治療マニュアル

鍼灸を現代医学的に捉え臨床応用できる1冊。


超旋刺と臨床のツボ

古典回帰を考えさせられた1冊。


中国鍼灸秘訣集

鍼灸歌賦初の日本語訳。華佗堂今村先生の著書


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